ウィルビーイング教育とは?

ウェルビーイング教育についてご紹介いたします。

まず、皆さまにとっての幸福とはどんな概念でしょうか?

2020年、ユニセフの調査で、日本の子どもの精神的幸福度が
38か国中ワースト2位となったニュースがありました。

そんな中で文部科学省の教育再生実行会議では、
ポストコロナの新たな学びのあり方として
「ウェルビーイング(Well-being)」の実現が掲げられています。

ではそもそもウェルビーイングとは何でしょう?

この言葉は、1946年のWHO(世界保健機関)設立時に初めて登場してます。

「Health is a state of complete physical,
mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.」

ー健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、
肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、
全てが 満たされた状態にあることをいいますー

そして、自分の生きる道だけではなく、家族や友人、自分の住む街・国が、
どのようにすれば「良い状態」でいられるのか、
について考えることも含まれます。

ここであわせてご紹介したいのは、
2030年までの世界の行動指針であるSDGsの17項目の一つに

「Good Health and Well-Being(すべての人に健康と福祉を)」

が掲げられていることです。
※ここでは「Well-Being」は福祉と訳されてます。

価値観が変化したことによりウェルビーイングへの注目が高まり、
経済的な豊かさだけでなく将来そして社会全体の幸福度とは一体何か
を考えることがより重要視されています。
その過程でウェルビーイングと教育は密接に関係しているといえます。

さらに2019年、OECD(経済協力開発機構)の
Education2030プロジェクトが提示した「ラーニング・コンパス2030」の中で
「individual and collective well-being(個人および集団のウェルビーイング)」
として登場しますが

OECDによると、ウェルビーイングとは
「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、
心理的、認知的、社会的、身体的な働きと潜在能力」のことであり、
「教育の目的は、個人のウェルビーイングと社会のウェルビーイングの
2つを実現することである」としています。

持続可能な社会を目指すためにも、
個人のウェルビーイングと社会のウェルビーイングは
とても重要であるということです。

では教育現場ではどのように考えられるでしょうか?

・不登校やいじめ、貧困など、コロナ禍や社会構造の変化を背景として
子供たちの抱える困難が多様化・複雑化する中で、
一人一人のウェルビーイングの確保が必要

・子供・若者の主体性や創造力を育み、
一人一人の自己実現を目指すことで、
持続可能な社会の創り手としての基盤となる資質・能力を育成

・地域における学びを通じて人々のつながりやかかわりを作り出し、
共感的・協調的な関係性に基づく地域コミュニティの基盤を形成

要素としては、以下が挙げられます。

・自己肯定感
・心身の健康
・幸福感(現在と将来、自分と周りの他者)
・協働性
・学校や地域でのつながり
・社会貢献意識
・利他性
・多様性への理解
・サポートを受けられる環境
・自己実現(達成感、キャリア意識など)
・安全・安心な環境 など

ここから関連する指標として

〇自分にはよいところがあると思う
〇将来の夢や目標を持っている
〇授業の内容がよく分かる
〇勉強は好きと思う
〇学級をよくするために互いの意見の良さを生かして解決方法を決める
〇地域や社会をよくするために何かしてみたいと思う
〇先生は自分のいいところを認めてくれる
〇困りごとや不安がある時に先生が学校にいる大人にいつでも相談できる
〇自分の幸福感
〇友人関係の満足度
〇自分と違う意見について考えるのは楽しい
〇人が困っているときは進んで助けている

出典:文部科学省『次期教育振興基本計画について(答申)【本体】』
『【資料8】ウェルビーイングの向上について(次期教育振興基本計画における方向性)』
https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/000214299.pdf

このように、ウェルビーイングの向上は、
世界全体が取り組む未来のための指標となっています。

個人がウェルビーイングを知り、
そして自分自身のウェルビーイングを高めることが、
周りの人や、社会のウェルビーイングにつながっていきますね。

学校教育だけではなく、
習い事でのウェルビーイングを果たす役割についても考えます。

「学んでよかった」「努力してよかった」
「自分が学んだことで、他の人を幸せにできた」と思える経験を
レッスンを通して積み重ねていき、
お子さまがウェルビーイングを実現させていく場所であるようにと願います。