「表現」の意味を漢字から読み解く

今回は、漢字から「表現」について考えてみようと思います。

みなさんは「あらわす」「あらわれる」を書くときに
「表す」なのか「現す」なのかすぐに判断できますか?

広辞苑では下記のように書かれています。

「表す」
⇒心の中の感情・意思などを外に出して示す、象徴するの意。
例:「口に表す」「喜びを表す」「危険を表す赤信号」「名は体を表す」

「現す」
⇒隠れていたものを、はっきり外に出すこと。
例:「太陽が姿を現す」「正体を現す」「頭角を現す」「本性を現す」

※ちなみに「著す」、「顕す」という表記もあります。
「著す」は書物を書いて世に出すこと、
「顕す」は善行、功績などを世間に知らせること、
だそうです。


そして、この様々なバリエーションを持つ「あらわす」の
「表す」と「現す」が組み合わさってできた言葉が
≪表現≫となります。


「表」→ 感情や意思など、目では見えないことが表面に出る。考えや意思を示す。
「現」→ もともとあって隠れていたものが見えてくる、出てくること

だとすると、

目には見えない自分の思いを表(おもて)にだしながら
その裏にある隠れているものも
表現を通して気付くことができるのかもしれない。
隠れていた自分の感情や思いを知っていくことも
自分を表現することなのかなとそんな風に思えます。

例えば、
「優勝してうれしい」と喜びを表現しながら歌うカラオケと
その裏には非常に強いプレッシャーがあったと
試合の後に現れてくる気持ちも知って歌うカラオケでは
歌の中のエネルギーや表現の幅が違いますよね。

歌、ダンス、お芝居など、表現を通して
表で見えている部分とその奥にある隠れている部分を
両方感じていくきっかけにもなると改めて感じました。

漢字はやはり面白いですね。

お子さまの成長時期には、
表現の機会にぜひ多く触れていただきたいと思います。